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HOME > ニュース > 【詳報】4/16実施 経営体制変更の記者会見

【会見詳報】クラブ経営体制変更の記者会見(2023.4.16実施)

株式会社滋賀レイクスターズでは、3月31日に株式会社マイネットが保有していた発行済み株式74.2%を、株式会社サン・クロレラ代表取締役社長の中山太氏に譲渡し、クラブのオーナーシップが変更となりました。4月7日の株主総会等を経て、中山氏が新たに代表取締役会長に就任する役員人事が承認されたことに伴い、16日に滋賀ダイハツアリーナにて経営体制変更についての記者会見を執り行いました。

会見には中山代表取締役会長、釜渕俊彦代表取締役社長、上原仁取締役(前代表取締役会長)が出席し、今回の経営体制変更についてメディアの皆様からの質問にお答えしました。

記者会見の内容は以下の通りです。

 
 

4月16日 記者会見の詳報

【釜渕】
このたび、株式会社滋賀レイクスターズではオーナーチェンジを3月28日に発表いたしました。実効は3月31日でございましたが、株式会社滋賀レイクスターズの発行済株式74.2% を、法人株主の株式会社マイネットから株式会社サン・クロレラ代表取締役社長の中山太氏に譲渡いたしました。4月7日に中山氏に代表取締役会長に就任いただき、経営者としてもさまざまなサポートをしていただくことになりました。
滋賀レイクスはオーナーチェンジという大きな変化はございますが、これまでと変わらず、この滋賀という地域のため、滋賀の皆様のために変わらず戦い続けますし、信念を持ってこの地域のために取り組んで参ります。
チームの方はまだB1残留争い中という状況でございます。レイクスがレイクスであるために、トップリーグにふさわしいチームであることを証明するために、一刻も早く残留を決めて、来シーズンに向けて準備を進めてまいりたいと思います。皆様からも引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
 

【上原】
滋賀レイクスが日本一のクラブとなるために、ベストなオーナーを迎えることができたということを心から嬉しく思っています。今回、オーナー兼会長に就いていただいた中山太様は、もちろんサン・クロレラという大きな会社・事業体のトップであるとともに、現在日本のバスケットボール界に大きな影響力をお持ちであります。また、NBAであったり、Bリーグ、大学バスケ、高校バスケといった様々な段階のバスケットボール界に大きな人脈を築いていらっしゃいます。このバスケットボール界への影響力をお持ちの方であること、同時にオンコートのプレーそのものにも大変精通した経営者でいらっしゃる。しかもこの滋賀という地に長年の愛着をお持ちでいてくださっている。
滋賀レイクスが「日本一のクラブになることを通じて滋賀の誇りとなる」というミッションを実現する上で、最も適した、最高のオーナーをお迎えできたものであると考えています。大変嬉しく思っているということがまず最初のメッセージです。
 

 

【中山】
本日はよろしくお願いいたします。上原の方からもありましたが、非常に評価をいただいて今回こういった形でまたレイクスに関わらせていただくことになりまして、やはりまず私としてはチームを、ミッション、ビジョンというところはもちろんこれからも継続する形で、チーム作りのコアにはしていくのですが、それプラスアルファで、今日お集まりいただいておりますメディアの皆様からどんどん取材をしていただけるような、価値あるチーム作りを目指していきたいと考えております。メディアの皆様からも期待されるチーム作りというのを考えていきたいと思っておりますので、こういった機会というのをメディアの皆様からいただけるようなチームをこれから目指して頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 

 

質疑応答

Q.サン・クロレラにとってB.LEAGUE 参入のメリットは?

【中山】
株式会社サン・クロレラは2016年からアンチ・ドーピングの認証を当社のメイン商品「サン・クロレラA」で取得いたしまして、そこから国内外問わず、様々な競技、個人アスリートというところに対しての、よりコンディションに当社の商品を活かしていくというアプローチで商品展開をしてきております。
そういった中で、Bリーグにより深い関わりを持つということは、当社が日本国内で特に中学校、高校に対して栄養管理セミナーというのを行わせていただいているんですけど、その中で健康、しっかりとコンディションを維持した上で、非常にバスケットボールはタフなスポーツですので怪我の予防になったり、それこそ最近は「コロナ」というワードは出てこなくなりましたけど、感染予防対策というところにおいても、普段から正しい食生活をすることによってそういったことを実現していくことの大切さをずっと伝えてきておりますので、より当社のことをスポーツ業界様々な形で知っていただく機会に今回はなると思っております。そういった意味では本業の方へのプラスの効果は十分に考えおります。

 

変えていく部分について、どう変えていきたいと考えるか?

【中山】
最終決定するにあたっては、しっかりとチームのステークホルダーとコミュニケーションをとりながら、どういった変化がこのチームにとって望ましいのかというところを、コミュニケーションを取った上で決めたいという思いはあります。
ですが同時に、プロスポーツに関してはエンタメ性というところは必ず求められると思っておりますし、新B1の基準でもあります平均観客動員数のところ、ここがリーグの方からもしっかりと提唱されておりますので、しっかり集客できるコンテンツが必要だと思います。
昨日の試合(4月15日vs琉球)は来場者数が3000人に届かなかったですが、やはり週末の試合でもっともっとコンスタントに観客動員を伸ばしていけるコンテンツを、興行としても作っていきたいというのは一つございます。

 

試合以外の部分での拡充は?

【中山】
試合そのものにプラスαで、試合以外の部分で会場に来たい、楽しんでいただける、より幅広いファン層の獲得というところを目指していかないと、新B1基準の観客動員の実現というところはハードルが高いなと思いますので、その辺りを具体的に考えております。

 

新B1を見据えたオーナー変更だと思うが、基準を満たしていく上でどう影響していくか?
また、どういうことに注力していくか?

【釜渕】
アリーナのところは、収容人数の5000人の基準自体は(滋賀ダイハツアリーナは)クリアをしていますが、設備として(新B1基準対応に)満たしていないところがございますので、それはそれで関係各所と相談して、基準を満たす状態に持っていこうという取り組みをしている状況です。
その上で売上と観客動員の基準ですが、2024年10月の審査の時点で段階が1次~4次までございます。それで言いますと、今目指すべくは2次審査という風に考えています。売上12億と平均観客動員4000人というのを一気に達成していきます。
まだまだこれから具体的なものを作っていかないといけないのですが、なんと言ってもまずは4000人の平均動員をするということ、それを実現できればもちろん売上にも上積みされていきますので、一番注力すべきは4000人の集客をするというところです。
今季で言いますと、2600人弱ぐらいの平均観客動員ですので、1.5倍以上にしないといけません。そこが一番大きな課題であり、そのためには興行の価値を高めるのもそうですし、中でもチームが強く魅力的な試合をしているというのが何よりも皆さんが喜んでいただけることです。魅力的なチームを作って魅力的な試合をお見せするというのが、この1シーズンは十分にできなかった部分だと思っていますので、まずそこに着手しないといけないと思っています。
その上で細かいところでお客さんが試合以外でも楽しんでいただけるコンテンツを提供するとか、ここまで足を運んでいただきやすい環境づくりをする、そういうことにも、もちろん取り組んでいきたいと思っています。

 

以前のようなスポンサーではなく、個人でオーナーになったメリットは?

【中山】
意思決定のスピードが格段に早くなるということが一つあると考えています。サン・クロレラの代表という立場であっても、会社がレイクスのオーナーになるという時点で、意思決定には社内協議をする必要が出てきます。
非常に変化が激しいBリーグの中において、意思決定のスピードが遅れてしまうのは致命的になってしまいますので、その辺りを極力そういったリスクを省きたいというのが、一つこの決定の中にはありました。
あとは個人でできる範囲の中に、個人的につながりのある海外のエージェントだったりとか、海外のバスケットボール選手というのもおりますので、私自身がフレキシブルに動けるという意味でも個人でオーナーになった方が、私の機動力を活かしながらいろんなことができるんじゃないかなと考えました。

 

他のBクラブのスポンサーになることはないという話もあったようだが?

【中山】
まず、当社(サン・クロレラ)のメイン商品である「サン・クロレラA」に関しては、製造を約45年間、滋賀で行ってきておりました。本社は京都ですが、滋賀県とのつながりが創業当初からございまして、滋賀県をホームとするレイクスと最初に関わりを持たせていただいたことも非常に当社にとっては重要なポイントでした。当社の中では一度ご縁をいただいたレイクス以外のBリーグのチームとの関わりはなかなかイメージが出来なくて、Bリーグでサポートするならレイクスというところが私個人も含め、当社の中では共通理解になっていました。そういった経緯で他のクラブからお話をいただいた時もずっとお断りさせていただいておりました。

 

1年半のマイネット体制で、こういうところに貢献できたという思いがあれば

【上原】
元来、私は株式会社マイネットというデジタル会社の創業者でございます。Bリーグクラブ、滋賀レイクスの経営にデジタルの力を注入することをコンセプトに経営に参画いたしました。マイネット参画以降、フロントに二桁人数のデジタル人材に参画してもらうことに成功しています。それによって、極めてデジタルに強く、意思決定をデータドリブンに行える強いフロント組織ができていること、これは我々が加わらせていただいたことによって実現した差分であるかなと思っています。
また、私が滋賀生まれの人間だったこともあって、滋賀という軸は改めて滋賀レイクスの中核、背骨に置かせていただいていました。「日本一のクラブとなることを通じて、滋賀の誇りとなる」という滋賀に地に足をつけた明確なミッションを打ち立てることができました。そのミッションに基づいたリブランディングを実行して、現在、例えばNANGA様、日清食品様といった、国内トップクラスかつブランド力の高い企業様とのコラボレーションが実現できるようになったところでございます。
「デジタル」「滋賀」「ブランド」この3つは、我々が参画することによってできた差分であるかなと考えております。

 

株式を譲渡するに至った経緯を改めて教えてほしい

【上原】
中山様とはマイネット参画より前にトップスポンサーだったこともあり、お付き合いはそのままに継続的な対話をしておりました。この1年半の間、中山様にも状況の様々なご報告もし、協力関係というものも育んでまいりました。
そんな中、マイネットがオーナーシップを持って関わらせていただく上で、最も初動で取ることのできるアクションが、一つ段落になりつつあるところがあった、ここにおいてさらなる加速がクラブに必要と考えておりました。中山様と様々な協議を重ねた結果、実際に滋賀レイクスが日本一になるためにベストな体制はこうであると対話として着地をし、中山様にオーナーになっていただくことがレイクスにとってベストであると判断しました。これが一番の理由であり経緯であります。

 

中山氏はバスケット界に様々な人脈を持っているとのことだが、それをレイクスに具体的にどのように活かしていくか?

【中山】
私が持っているリソースでレイクスにプラスになる部分においては全て使うつもりでおります。
今後のチーム編成のところで言うと、一つレイクスの課題になってきたところが外国籍プレーヤーの獲得のところです。外国籍プレーヤーとなりますと、エージェントを通じて情報を得ることになり、あまり直で見る機会が日本人プレーヤーに比べて非常に少ないというところがあります。これはレイクスに限ったことではないかもしれませんが、よりレイクスが目指すチーム作りにフィットする外国籍選手を選ぶという部分においては、私も定期的にアメリカにも行っておりますので、現地で選手を実際に見るということもできます。そういったところでしっかり自分のフットワークを活かして、課題に対して取り組んでいけるというところもあります。幅広く私が持っているリソースのところはレイクスへ活かしていこうと考えております。

 

選手たちとはもう話をされたのか?現場に今一番伝えたいメッセージは?

【中山】
一度挨拶も兼ねて試合前のロッカールームに入らせていただいて、挨拶程度のコミュニケーションは取らせていただいています。1対1のコミュニケーションはまだ取れていないですが、チーム全体に対してのコミュニケーションは取らせていただきました。
やはり今シーズンのレイクスに関しては、ブースターさんのチームに対する期待値のところで考えますと、やはりB1に残留することだと思いますので、しっかりそこを実現するためのアクションと、そこに対する準備も含めて重要だということは継続的に伝えていきます。シーズン終わる最後まで、その考えをベースに戦っていくというところは一貫して伝えていこうと考えています。

 

今後チーム編成についてはどんな話をしているのか?

【釜渕】
大きなテーマとして中心に据えているのは「Continuity(継続性)」を持ったチームにしようということです。
過去数年を見ますと選手の入れ替わりが非常に激しいことが何年かありましたので、チームの文化を作り上げていく上で、コーチも選手も含めて継続性を持って取り組んでいくということを中心に据えてチーム作りに取り組んでいくことを話しています。
その上でより良くするために入れ替えるべきところという部分も出てくると思いますけど、まずは今取り組んでいることを継続できればと思っています。

 

より魅力的なチームとなっていくために一番大事にしたいことは何か?

【中山】
オーナー目線で考えますと、プロスポーツにおいてチャンピオンシップを目指せるチームというところが一番価値があると思いますし、チャンピオンを目指せるチームの文化であったり環境の形成、そういったところがオーナーの視点ではやっぱり一番価値のあることかなと思います。
ファン目線では、もちろん強いチームというのは魅力があると思いますが、この試合会場に来たところから体験していただく内容は非常に重要だと考えています。単にチームが勝つだけではなくて、例えば会場へ入ったところからのカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)、この会場を後にしていただく時までいろんな要素を含めて、「レイクスのホームゲームに来て楽しかった」という体験をしていただけるような視点での興行づくりが大事になると思いますので、そこも含めてファン目線でのチームの価値というところは考えていきたいと思います。

 

チームを強化していくには投資も必要になってくる

【中山】
そうですね。ここに関して、最低限のトップチーム人件費の確保というところは必要だと思いますが、あとは予算配分のところで、ローテーションプレーヤーの中でもそこまで大きな人件費を投下しなくても獲得できる良い選手はたくさんいます。その辺りをうまくやりくりしながら、しっかりと投資すべきところには投資をして、抑えるところは抑えるという考え方である程度回していけると考えていますので、その辺りは上手く回していきたいと思います。

 

上原前会長へ、1年半でオーナー企業が変わってしまうことについてどう考えているか?
また、その間でリブランディングなども行ったが、どんなことをできた、できなかったと感じているか?

【上原】
オーナー企業を変更することの影響が戦略的にポジティブに出る交代になるということを、まずしっかりお伝えしたいと思っています。
新B1へ向かっていく市場の変化の中で、間違いなく必要だったのはクラブが国内トップクラスのリーグで戦える企業体になるという変化だったと思っています。今様なデジタルをしっかりと活かし、顧客の皆様に対してしっかりとしたブランドでマーケティングができる企業体になることは必須だったと思っています。ここに対してマイネット体制で進行できたことは多かったと思います。
ただ、マイネットはデジタルの会社でありますが、競技、プロスポーツ業界に対する精通はまだ未熟な企業体であったと自覚しております。
そこに対して、サン・クロレラ様、そのトップである中山様が、プロスポーツというもの、その根幹である人間のフィジカルな部分、メンタルな部分について、本業で研究まで進めていらっしゃいます。プロスポーツにおいて中核の中核はやはりチームであり選手です。チームであり選手というところの力を最も発揮できるオーナー様にバトンタッチするという形であると捉えています。
日本一になることへ向かっていくための下地作りに必要であったオーナーから、本当に日本一なっていくためのチーム作りに必要なオーナーにバトンが渡される、そういった場面であると捉えていただければと思っていますし、私自身がそう捉えています。
1年半でできなかったことは、今季チャンピオンシップ進出を目指しましたが、悔しいかな今季の目標は達成できなかったことです。しっかり志のバトンを受け渡していくことでこれから実現していくと思っていますし、これからもマイネットはパートナー企業として滋賀レイクスをバックアップしていきます。これから日本一となり滋賀の誇りとなるゴールへ向かっては必ずそれが成し遂げる体制ができていると思います。

 

滋賀ダイハツアリーナは新B1の収容基準は満たしていますが、VIP席などの課題がある。マイネット体制では独自のアリーナについても模索していたが、新設のアリーナの必要性についてはどのように認識か

【中山】
中長期的にはそういった選択肢もあるかなと考えているのですが、新B1の審査をクリアすることに現在はプライオリティを置いて考えておりますので、現時点ではこの滋賀ダイハツアリーナで新B1の基準をクリアしていくことがチームにとって現実的な選択肢かなと考えております。

 

なぜオーナー変更がオフシーズンではなくこの時期になったのか?

【中山】
もろもろいくつか理由はあります。例えばB1ライセンス(現行)の審査の時期であったり、チーム都合でこのタイミングになったところも背景としてはありました。あと、来シーズンの準備に関しても、すでに今月から動いているものもございまして、来シーズンに向けての準備を万全な形で進めていく上でこのタイミングになったということもあります。
ですので、しっかりと来シーズン、勝ち星も含めて、よりブースターの皆さんに喜んでいただけるチーム作りを目指す上で、しっかりと準備のプロセスから関わっていきたいという思いもありましたので、そういった背景もあってこのタイミングだったとご理解をいただければと思います。  

 
 
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