見どころ
昨季のB1得点王のダバンテ・ガードナー、〝オフェンスマシーン〟の異名を取る川村卓也と、今オフにリーグトップクラスの点取り屋を補強したシーホース三河。もともと日本人No.1シューターの金丸晃輔、大学を中退して新人王に輝いた岡田侑大という「飛車角」を持っており、スコアラーカルテットがどのような化学反応を起こすのかが今シーズンのBリーグの最大の注目でもあったが、ここまでは4勝12敗と期待通りの結果を残せずにいる。
巨大戦力が苦戦する要因は数字からも見て取れる(第9節終了時点)。1試合平均のチーム得点ではSR渋谷(84.8)、千葉(83.8)に次ぐリーグ3位で、個人でもガードナーがリーグ単独トップの24.3をマークしているが、失点が85.7と、ここまで全敗の三遠を下回りリーグ最多。目立つのはスリーポイントシュート(3P)による失点で、許した3P決定数の1試合平均本数(10.0本)成功率(38.0%)で共にワースト2。対戦相手のターンオーバー総数(130)は次点の三遠(160)と比べても目立って少ない。ガードナーがいるインサイドは強烈だが、全体として相手に楽に攻撃を許してしまっていることが伸び悩む一因担っていることが伺える。
数字上では滋賀レイクスターズにとっては「相性のいい相手」と言えるかもしれない。滋賀は3P成功本数がリーグトップタイの狩野祐介と高橋耕陽が、3P成功率でリーグトップ10に名を連ねる(高橋が40.9%で8位、狩野が40.0%で9位)。チームとしても試投数がリーグトップ(29.7本、※次点はSR渋谷の26.7本)という、積極的に3Pを狙うシューティングチームだ。この中断期間には、インサイドプレーヤーながら昨季琉球で3P成功率が40%を超えたジェフ・エアーズが加入。ヘンリー・ウォーカー、クレイグ・ブラッキンズとNBAトリオはいずれも3Pを得意としており、三河にとっては的が絞りにくい厄介な相手となる。
GAME1にはガードナーが出場停止で欠場することも三河にとっては痛手。滋賀にとっては絶好の機会だが、逆に戦い方を変えてくる可能性もあるため、三河の新加入選手セドリック・シモンズを含めて最大限の警戒は不可欠。滋賀と三河はリーグ戦では共に出遅れたが、直前の天皇杯ではベスト8まで勝ち上がっている。シーズン前から力を高く評価されていたチーム同士の戦いに勝った方が、12月の躍進のきっかけを掴むだろう。