【STORY ライアン・クリーナー】若くから日本でキャリアを重ねるビッグマン
愛媛オレンジバイキングスから滋賀レイクスに加入したライアン・クリーナーは、川真田紘也や野本大智と同じ25歳の若い選手だ。アメリカのアイオワ大学を卒業後にベルギーのルーヴェン・ベアーズでプロキャリアをスタートさせ、プロ2年目の2021年には日本でのプレーを選んだ。アメリカやヨーロッパで数年経験を積んでから日本へ来るケースが多い中、208㎝のパワーフォワードは何を求めて日本に来たのだろうか。
小学1年でバスケットボールを始めたクリーナーは、その2年後にはプロ選手になることを決意したという。「小学3年生の頃に将来の夢を発表する機会があった。その時にバスケット選手になりたいと発表したら、先生から“現実味”がないから別の夢にしなさいと言われた。私は反論した。自分の夢を先生が決めるのはおかしいってね。すると家に連絡が入った。でも、お父さんは私と同じように“子どもの夢は学校が決めることじゃない”って跳ね返したんだ」
だが、小・中・高・大学へとカテゴリーが上がるにつれて、小学校の先生が言った“現実味”の意味を思い知らされる。
「最初はNBAでプレーしたいと思っていた。でも、年齢を重ねていく中で自分にはNBAは無理だなと感じるようになった。でも、夢を諦めきれない、だから別のリーグでプロ選手になることを考えたんだ」
夢の下方修正を余儀なくされたクリーナーに、試練が訪れたのは大学4年の頃だった。世界的な新型コロナウイルスの流行もあって、海外でプレーしたくても渡航が難しい。11月に申請したビザが2月になっても降りないという経験もした。その時に、たまたまベルギーリーグの話がまとまったという。
「ルーキーがキャリアをスタートさせる上でベルギーは適しているとエージェントから聞いていた。ベルギーにはいろんな国からスカウトが来るからと。日本に来られたのもベルギーリーグでMVP候補に残ったからだと思います」
もともと中国や韓国といったアジアのリーグには興味があったという。
「大学3年の頃、(エージェントから)アジアのマーケットが大きくなっていると聞かされていました。そして、ヨーロッパでプレーしている選手たちもアジアに注目していると。日本のBリーグのレベルが高いことも知っていましたし、日本に来られたことは幸運だったと思います」
実際、愛媛で2シーズンをプレーしたクリーナーは、Bリーグのレベルの高さを実感しているという。
「日本人選手もいいプレーヤーが多いですし、B2のレベルも年々上昇していると感じています。自分はまだB1を経験していませんので、滋賀レイクスをB1に昇格させ、その中で自分もB1でプレーできるような選手に成長していきたいと思っています」
25歳の若武者はそんな野心を胸に日本での3シーズン目を迎えている。
ライアン・クリーナー
RYAN KRIENER
背番号:4
ポジション:PF
身長/体重:208cm/118kg
生年月日:1998年4月24日
出身地:アメリカ合衆国
経歴
Iowa University(NCAAⅠ)
2020-21 Leuven Bears(ベルギー)
2021-23 愛媛オレンジバイキングス(B2)
∟2022-23 B2個人得点8位(16.1PTS)、リバウンド8位(9.4REB)ブロック10位(0.8BLK)